2006年12月24日

スクレーパーを研いでみる

SCRAPER1.jpg私がよく使う工具のひとつが、このスクレーパーです。ただの鉄板にしか見えないかもしれませんが、さにあらず。サンドペーパーや鉋と並んで木材の表面を削るのに必要な工具です。非常に薄〜く削る事が出来る鉋の様な物と考えれば分かり易いでしょうか。平面、曲面で構成されている楽器の様々な部位に対応出来る様に形状、サイズ、厚みに色々なバリエーションがあります。私が持っているのは写真の物で全てですが、まだ4種類しか使った事がありません。今のところそれで間に合っているという事もあります。

これも刃物の仲間ですので使用にあたって研ぎ出す必要があります。そこで、手持ちの中で一番大きなスクレーパーを初めて研いだ時の様子を解説がてら記録しておきます。
● 用意する物
SCRAPER2.jpg SCRAPER3.jpg
研ぎに必要な道具類です。荒研ぎ用のヤスリからダイヤモンド・コートされた仕上砥まで3種類を用意しました。右の写真はバーニッシャーという道具です。これを使って刃を立てます。この他に、薄くて押さえ辛いスクレーパーを安定させる為のガイドが必要です。ここではアルミ製チャンネル材を使っています。

● 研ぐ前に
この記事を参考にスクレーパーを研いでみようと思われた方へ、一言申し上げます。これは刃を研ぎ出す作業なので非常に危険を伴います。うっかりスクレーパーを滑らせれば深刻な怪我を負う可能性があります。軽く薄っぺらな鉄板ですが、作業時は神経を集中させる事が肝要です。

● 研ぎます、研ぎます
SCR4.jpg新品のスクレーパーはプレスされたままなのでエッジがガタガタになっております。このまま使う事は出来ません。





SCR5.jpgそこで、ガイドにヤスリを添えて真っ直ぐになる様に荒研ぎします。





SCR6.jpg押し方向にだけストロークさせて、こんな感じに研げました。






SCR7.jpgそして砥石の上へ。最初にエッジを研いで、






SCR8.jpg次に表裏の両面を研ぎます。ガイドに添えて研ぐ事で、エッジの断面が直角になる様にします。(大体で良いと思いますが)





SCR9.jpgとりあえず仕上げ砥まで使ってみました。これで研ぎは終わりです。






● 刃を立てる
SCR10.jpg次はバーニッシャーを使ってエッジを立てます。「刃」を作るワケですね。まずは写真の様に、表裏のエッジを擦る様にバーニッシャーを滑らせます。手前に引く方向のみの動作で行ないます。台とスクレーパーの位置を見て下さい。3mmほど、台の端より内側にセットします。


SCR11.jpgさ、見えますか?このエッジ。非常に微細なエッジが、鉄板の平面方向に伸びています。





SCR12.jpg次に、このエッジを「折り返す」事で刃が完成します。今度はバーニッシャーの溝部分にスクレーパーを差して滑らせます。この動作も手前に引く方向です。このステップではスクレーパーが暴れやすいので安全の為にクランプをかけております。今度は台の15mm外側にスクレーパーをセットしています。


SCR13.jpg出来上がりはこの様な状態になりました。エッジが折り返されて立ち上がり、刃になりました。この写真も非常に見辛いのですが、このエッジに指を滑らせればスパッ!と切れます。恐。





● 何か削ってみましょうか
SCR14.jpgあ、パオロッサがありましたよ。これは結構固い材であります。






SCR15.jpgちなみに、削る方向は押しても・・・






SCR16.jpg引いても、どちらでもOKです。






SCR17.jpgそれではシャクシャクシャクっと・・・。
おお、削れますよ削れますよ。





SCR18.jpgこれは削り屑のアップですが、何となく鉋屑のミニチュア版といった風情であります。削っても粉ばかりしか出ない時は、刃が出ていないか鈍っている証拠です。この写真を見る限りでは・・・
ビミョーですな。



以上が一連の流れなのでありますが、もしもこのエントリーをご覧になって「ワシもやってみっか!」という気になられた方は、くれぐれも安全にはお気を付けて下さいね。クドい様ですが、本当に下手をすると大変痛い思いをしますので・・・。まあ、刃物はどれでもそうなんですが、コイツは薄く軽い分だけ他と違う危険があるのです。更に、木材の切削中にノリノリになって長時間の連続作業をすると摩擦熱でスクレーパーが熱くなる事があります。この場合には火傷に注意が必要です。でも、使い方さえしっかりすれば、これは本当にステキな工具なのであります!

スクレーパー用の鋼材としてはヨーロッパ産の物が良いそうです。ドイツ、スウェーデンとか。ちなみに私のスクレーパーは全てLMIから購入しました。ヨーロッパ物です。パロヨツとも言ったり・・・ しませんね。


ラベル:工具・道具
posted by schuntama at 17:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 工具類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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