2006年12月10日

5号機 ソプラノ 製作記録2

製作記録1からの続きです。


S5-88.jpg2006-04-19
ぼちぼちネックも行ってみますか。
ということで、取り出しましたるアフリカン・マホ・への字。以前T'sギターズさんから購入したモノです。最初から指板面側がキレイに加工されているので、少しサンディングするだけでオッケーなのが嬉しいのであります。

S5-89.jpgヘッド角は一般的に14度というのを良く見聞きしますが、これは11度です。schuntamaウクレレは14〜15度で製作してきましたが、子供用に作るのでテンションはきつくない方が良いでしょう。11度のままで行こうと思います。ちなみに我が家のフェイマス・パイナップルは約8度でした。


S5-90.jpg今作よりヘッドの形状を変更し、テンプレートを新作しました。右が新作、左が従来型です。面積を小さくし、なおかつ上を絞ることでヘッドの重さを解消する狙いです。




S5-91.jpgテンプレートを使いつつケガキ入れをしたところでありますね。諸事情により今はまだカットしません。





S5-92.jpgネックときたら次は指板でありますね。ということで、取り出しましたるインディアン・ローズウッド指板材。だいぶ前にLMIから購入したマンドリン用のモノです。
同じ樹種でも部位によって色合いが変わるものです。今回使用のコア材にオイルフィニッシュした時のマッチングを考え、手持ちの材の中から明るい色味のモノを選びました。
で、ラフ・カットしておきました。ブリッジの分もザックリと用意。今度のブリッジは、ごくフツーに作るつもりであります。

S5-93.jpg2006-04-21
1次サンディングの終了であります。240番まで研ぎました。これ以上の番手はネックを合わせた後にします。
貼り直したバックのラウンドですが、こんな感じになりました。上下の端末だけがつんのめっていたり、ネック側で波打ったりしていた以前のダメな所は修正されております。しかし、これでもまだ不満が残ります。どうにも予行演習の時と違う結果になってしまうのですな。要改善。

S5-94.jpg課題は次作で解決を試みるとして(先送りとも言いますが)、バリを削り落とす事にしました。木目に逆らわない様に、ゆっくりとノミやミニ鉋で削りました。とか言いつつ、実は集中力が途切れると木目に逆らって削ってたりします。刃が木目に喰い込むと、ピキッ!と音がして冷や汗を流したりするのです。


S5-95.jpgバインディング無しのプレーンな箱は、まるで昔の弁当箱(イメージ)。こんな姿を見つめていると、ウクレレってホントに可愛いな、と思うのであります。




S5-96.jpg2006-04-25
ヒール周りをラフに削っておきました。この前バンドソーで加工してすぐにヒールブロックを接着しておいたのです。ヘッド形状やウクレレ・ポイントも当たりを付けておきました。このヒール周りの削り出しというのは、毎度時間をかけてしまいます。未だにコレ!という形が見つかりません。下書きしておきながら全然違う形に仕上げちゃったりします。

S5-97.jpgとりあえず今日はここまで。それにしても平ノミだけというのは削り辛いのであります。なんで丸ノミを持ってないんだろ?





S5-98.jpg2006-04-27
ネック周り作業、進行中であります。スプライン・ジョイントは合わせがやり易いですな。ペーパーで大体削った後にスクレーパーでジョリジョリと調整です。



S5-99.jpgネックがフィットしたらヒールキャップの作業へ。バックの勾配に連続する様にキャップ座面を削りました。ヒールキャップはパーラー・ギターのロゼッタの端材を使います。偶然にも厚みがいい感じで揃っていて、接着後はほとんど削らなくても良さそう。



S5-100.jpgで、コルクを挟んでグワシと接着。こういう部分の接着は膠ではなく、LMIのボンドを使う事にします。





S5-101.jpg2006-04-29
ヒールキャップが完了しました。ついでにヒール周りを軽くスクレーパーかけたりとか。
今度のヒールは断面が丸いのです。4号機はクラシカル・ギターの様に真ん中がバシ!と折れてましたが、5号機ではウクレレらしさを形、音の両面から追求しております。
ヒールをスクレーパーで削っていて気付いたのですが、削っている音がヘッドから聞こえてくるのです。ヒールキャップを指でなぜなぜしていても、その音がヘッドから聞こえてきます。
ネックというひとつの部品なので音が伝わるのは当たり前なのでしょうけど、こういう経験は初めての事なのでちょっと「へえ」という感じでした。端で発生する音が反対の端で増幅されて聞こえる不思議。ネックの作りが「鳴り」に影響すると言われる意味が、何となく分かりかけた様な午前2時でした。

S5-102.jpgコアのヘッドプレートを用意しました。2号機を作った時の端材。文字通り端っこの材なので一部密度がスカスカな所もあるけど、ギリギリでクリア。接着してから寝ようと思ったのですが、その前に睡魔がクロールで襲ってきて・・・。
それはスイマー。


S5-103.jpg2006-04-30
ええと、昨日の早朝にエントリーをアップしてから就寝して、その後夜になってからヘッドプレートを接着して、今日の夜にクランプを外してザザッと整形したのがこの写真な訳ですが、実はその前に昨日の深夜から今日未明にかけて指板を削っていたりしてたのです。

S5-104.jpgサラリーマン仕事が1日の大部分を占め、その他諸々生活上の用事をこなしつつ、日付をまたいで楽器製作・・・ なんて毎日を繰り返していると、時に「これはもう削ってもいいんだっけ・・・」とか、「これもう接着終わってるよな・・・」とか、何が何だか分からなくなる事もあったり。ま、そんな生活を楽しんだりしておるワケでして。

S5-105.jpgで、その指板の作業です。マイターボックスでフレット溝を切る為、片側だけ直線を出しておきました。この面は中心に対して垂直なので溝切り後に左右をテーパーに削り直します。




S5-106.jpgそれから鉋で厚みを落としていったのですが、刃を研いだばかりで調子に乗り過ぎて、4mm手前で止めるつもりが行き過ぎてしまいました。




S5-107.jpg結果、サンディング後の厚みが3.6mmになりました。(私はまだ鉋だけでビシィ!と面出しが出来ません。)この写真は240番のサンディングが終わった状態です。これはこれでザックリとマットな質感が良いかも、です。ハワイ物っぽい仕上がりかな。



S5-108.jpg2006-05-03
指板の製作に着手しとります。その前にヘッドに穴開けしておきました。例によって2段穴です。




S5-109.jpgフレット位置の計算にはいつもクレーンさんにお世話になっております。計算結果をプリントするのもいいのですが、今回はパワーブックを持ち込みで作業。




S5-110.jpg位置決めにはノギスを使用してケガキ入れしております。100分の5mmまで測れるので十分だと思いますが、線を引く時にズレたら意味無し。このノギスは大きめなので、最大でここまで測定できます。ソプラノの14Fまで楽勝でカバーできます。



S5-111.jpgで、溝切りしたのがこの写真であります。ノギスで頑張ってケガキ入れしても、鋸がズレたら意味無し。





S5-112.jpg指板の両サイドをサクサクと鉋掛けしてテーパーにしたら、次はポジション・ドットに行こうかな、と。





S5-113.jpgアバロンとマザーオブパールの在庫がありますのでムスコに選んでもらう事にします。しかし彼はTVに夢中で、視線をTVに固定したまま「こっちがいい」とアバロンを選択。まったくもう、今の若えヤツってのはどうもいけねえなあ・・・。



S5-114.jpgなどとブツクサ言いつつ、指板に穴開けするオヤジなのであります。





S5-115.jpgそのあと、軽くブリッジの加工を施してこの日の作業は終わったのでありました。





S5-116.jpg2006-05-04
今日はフレットを打ちました。14フレットしか無い事もありますけど、今までで最も短時間で打てた感があります。打ち込みに先だってポジションドットを平面処理します。指板面から約0.3mm飛び出た状態で接着してあるので、削って指板面と高さを揃えます。今回使用したアバロンは、色・模様が美しい貝なので人気があると思います。私も結構好きな貝であります。
しかしながら、素材の時と加工後ではその美しさが違ってくるのであります。つまり、貝殻というのは薄い層が幾重にも重なって出来ているので、削っていくほど下の層へと表面が移動するワケです。望みの厚みに削り揃えた時、果たして貝の表層にキレイな色が出ていれば良いのですが・・・。

S5-117.jpgこの写真をご覧下さい。(相変わらずボケてますが)これは削る前の、素材時の表面です。左右共、割と模様がハッキリ出ています。





S5-118.jpgしかし削り終わると・・・ こうなります。右側はさらにキレイな色が出ましたが、左側はドヨ〜ンと沈んでしまいました。
と、こんな感じで南国チックな色の貝の加工はある意味ギャンブル的要素も含まれます。加えて、光の進入角で光り方もまるで変わってきます。自分が持った時に光って見える様にするのか、オーディエンスの方へ光る様に見せるのか。こんなニーズがあるかどうか知りませんが、コントロール出来る様になりたいです。

S5-119.jpgはい、貝話がはずんだところで(?)指板エンドのカットも終了し、





S5-120.jpgフレットの打ち込みとトリムも出来ちゃいました。せっかくですから今のうちに、フレットエンドのベベリングもやっておこうかな・・・。
てな感じで、次は接着でしょうか。



S5-121.jpg2006-05-14
ネックを接着しました。これで一区切りついた感じ。





S5-122.jpg接着直前までまだ角材状態だったグリップをザクザク削って、プロファイルを決定。





S5-123.jpgお気に入りのロン・ヤスダに倣って、カマボコ断面にしてみました。でも、厚みはロンさんのよりはちょっと厚めにしてあります。
ちなみにロン・ヤスダのネック断面は薄く平らで、「昔のカマカ風」と評されます。ヘッドやボディ・シェイプ等、その佇まいも写真で見る「昔のカマカ」に良く似ています。ロンさんは長年カマカに勤めて独立(定年?)された方ですから、ロンさんのウクレレを買うという事は昔のカマカを新品で買うに等しいのかもしれません。でもそう言うと、「カマカじゃねえぞ、ロン・ヤスダだ!」って怒られそうですけど。私は昔のカマカを弾いた事はありませんけども、ロンさんのはとても弾き易く感じました。

S5-124.jpg320番でのサンディングが終わっていよいよ接着。このタイプのネック接着のためだけにロングサイズのクランプを買ってきました。今まで紐で縛り付けて圧着させてましたからね・・・。ちょっと進歩です。で、接着風景はこの様な状態になりました。接着剤は、準備作業だけは慣れてきた膠を使っています。


S5-125.jpgどうにかクランプまで漕ぎ着ける事が出来たのでありますが、合わせがまたまた「うむむむ・・・」な仕上がりとなりました。高音側はまあ良い感じかな、と思うのですが低音側に隙間があります。ヒールの厚み約半分、指板寄りですね。
どーーーして事前確認の状態と変わってしまうのか。 まだまだでありますな・・・。クランプの掛け方も問題アリですな。ヒール用のフィクスチャーを作るべきかもしれません。
てな感じで、課題は山積したまま次のステップへ。

S5-126.jpg2006-05-16
ネックの固定が完了して、仕上げのサンディング中であります。しかし作業を始めたのはいいのですが、やたらと眠い・・・。とにかく眠い。今日はスイマーが36人ほど一度に襲ってきたくらい、眠いのであります・・・。
そんな中、ボディだけは何とか320番を全面にかけて、角を落としに入ったところなんですが・・・。トップ側の半分だけで精一杯であります。眠さの余り雑な作業になって余計な仕事を増やさないうちに止めておきました。
やりたい事は山ほどあるのに、体がついていかないとは・・・ 情けなや。

S5-127.jpg2006-05-17
今日はスイマーが2人しか襲ってこなかったので、ボディの表・裏を全周丸める事が出来ました。なんのこっちゃ。しかしながら、ヘッドの仕上げは次の機会に。気力が充実している時にやるのが一番であります。
でもね、仕事中、気になって気になって仕方ないのでありますよ。そのヘッドの削り方、オイルの塗り方とかブリッジの固定の仕方とか、ああしようか、こうしようか、そんな事考えてばっかり。(仕事はダイジョウブか?)で、家に帰るとすでに深夜。何とか出来る作業を進めるのですが、眠さ爆発。最近はこのパターンに陥りつつあってフラストレーションが段々と・・・。

S5-128.jpgともあれ、作っている時がとてもシアワセ。今日のシアワセは、こちらのショット。ヒール・キャップの角とボディの角が合う様に丸めたところであります。あんまり眠いとこんな事も出来ないから、今日は儲け。



S5-129.jpgそして今日の最後は、ブリッジを置いて全体の雰囲気を確認。なかなかベーシックな仕上がりに出来そうであります。やっぱり、ウクレレは12フレット・ジョイントが一番しっくり見えますなあ。




S5-130.jpg2006-05-19
フィラー(目止め)を塗りましたよ。
フィラーは「LMI Micro-bead Acrylic Paste Filler」という商品名です。長い。色はダークウォルナット/ローズウッドです。決してマホガニーぽく染めようという訳ではないのです。


S5-131.jpgしかし、ホントに染まってしまうのではないかと不安だったりして。コアの素地とこんなに色が違うのです。
でも、大丈夫でしょう。確か2号機(コア・ソプラノ)もコレで目止めしたハズです。(こんな事も既に覚えていない)
1日以上乾燥させてサンディングすれば、導管だけがダーク色で埋まっている予定です。導管というのは木が吸い上げた水の通り道です。血管と同じですね。コアはこの導管が太いのです。
目止め無しの仕上げも有りでしょうけど、それは個人的にはちょっと・・・という感じ。かといって、完全に埋まって「つんつるてん」なのも人工的過ぎてつまらない。少し導管の跡が凹んで見えるくらいが私の好みです。要するに、ハワイ製ウクレレによくある、あの仕上がりですね。雑だと言う方もいらっしゃいますけど、ワタクシ的にはアレは「味」なのです。

S5-132.jpg目止めの前にサイド・ポジション・ドットを埋めておきました。今日は埋めモノばかりですな。これがその2mm径のアバロンであります。米粒より小さいので、取り扱いはピンセットで慎重に。指でつまんで作業しようものなら、ほぼ確実に紛失するかと思います。



S5-133.jpg今回の指板への穴開けは、φ2mmドリル刃を指で回してグリグリと。接着前の指板を万力で挟んでボール盤で穴開けする事もありますが、小さい穴ではこの方が微妙なコントロールが出来る利点もあります。



S5-134.jpgさて、接着剤が硬化した後にサンディングして貝作業は終了となりました。だんだん先が見えて参りましたよ。





S5-135.jpg2006-05-20
オイル・フィニッシュを開始しました。「フィニッシュ」を「開始」というのもヘンな話ですが。今日は1コート目でお終いにしました。
まずはこの写真をご覧ください。ボディの左側がオイルを1コートした状態です。コアの色がとても鮮やかに出ております。やはりコアは綺麗ですなあ。人気ある訳ですよ。高価な訳ですよ。希少になる訳ですよ。

S5-136.jpgオイルの塗布に先立ち表面の仕上げを行なっております。400番でひたすら研いて、その後に雑巾で乾拭きしました。4号機でもそうでしたが、これだけでも若干艶が出てきます。この時にライトを当てながら傷などをチェックしておくのです。



S5-137.jpgと言いつつ、こちらをご覧ください。この写真を見てから気付きましたが、クローズアップにすると凹み、傷が散見されます。オイル・フィニッシュではこういった部分をキチンと処理する事が求められます。しかしワタシはすでにオイルを塗ってしまったのでした・・・。ちなみにこの写真ではフィラーの埋まり具合が分かるかと思います。黒っぽく見えるのが導管の深い部分に埋まったフィラーです。この程度の目止め具合で仕上げて、程良い導管の凹みを表現する予定です。

S5-138.jpgペーパー処理が済んだところで、最終処理にスチールウールを使ってみました。グレードが「0000」という細目のモノです。ホームセンターには無かったのでLMIより購入。これで磨き込んだら更に表面が滑らかになりました。



S5-139.jpgしかしスチールウールの難点は、この微細な「鉄屑」。こんなの吸い込んだら肺が大変な事になりそうです。要マスク着用。





S5-140.jpg研磨が全て終了して、例によってライターオイルで洗浄しておきました。さて、いよいよTru-Oilの出番であります。新品を下ろしたのですが、これは2本目。1本目はビンを倒して半分以上こぼしたり、ビン内で硬化が進んでフタが開かなくなったりして4号機を仕上げただけで早々と終わりになってしまいました。


S5-141.jpgということで、無事に1コート目が終了したのでありました。








S5-142.jpg2006-05-21
オイル、4コート目。かなりオイリーでアブラギッシュ・・・
と思いきや、実は乾けばサラサラ、ナチュラルな仕上がりであります。これが乾いたら800番か1000番あたりでオイルを付けつつ研いで、最後のコーティングを行なう予定なのであります。
4コート目になると艶に深みが出て、コアのゴールデンな色合いも強調されます。マンゴーのロゼッタも当初狙っていたモノに近い効果が出ています。ボヤケてはいるものの、濃淡が交互に見えております。
で、実はまだ仕上がりの艶加減を決めかねています。半艶で仕上げるか、それともこのままグロッシーに仕上げるか。まだやってみた事ないので気持ちは微妙にグロス仕上げに傾きつつあったりして。

S5-143.jpg2006-05-23
回り道をしております。というか、仕上がりが気に入らなかったのでまだいじってました。導管の凹み具合がですね、イメージよりも深かったのです。もうちょっと浅くしたいなあ!と寝不足のアタマで憤慨しつつ、日曜の深夜から月曜の早朝にかけて色々と試していました。ローズウッドの粉とかエポキシ・フィラーに使うシリカ・パウダーをオイルに混ぜたりまぶしたり、ベタつくまでオイルをなすり付けてみたり。
そんなこんなでそこそこに導管は埋まった様であったのですが、結果としてオイルベタベタ方式が良かったのかもしれません。でも、これはやらない方が良いですね。きちんとフィラーで埋めるべきでしょう。別の機会に違うフィラーを試してみます。フィラーのレシピを考案中。
さて、結局4.5コート程の状態を乾燥させてサンディングとスチールウールでゴシゴシと仕上げ直したのがページトップの写真です。すでにオイルが浸透しているので若干のサンディングでは色は大して変りませんでした。このまま「マット仕上げでーす!」としても差し支えなさそうでしたが、もう少し艶を出そうと思います。

S5-144.jpgで、本日は改めて1コートを塗布しておきました。あと2コートくらいかな・・・?そうそう、表面のクローズアップを撮影してみました。こんな状態です。導管の存在がちと微妙になっちゃいましたかね。



S5-145.jpgでは更に寄ってみます。これでどんなもんでしょうか。こんな事を延々と繰り返して自分のレシピというものを掴むのでしょうね、きっと。




S5-146.jpg2006-05-24
今夜はサドルを削り出しておりました。4号機に使ったのと同じエボニーを切って、ペーパーでゴシゴシ。




S5-147.jpgまだ弦止めの溝は切っていません。ブリッジ位置を決定してからにしようと思っております。なのでまだ素地のまんまですが、今回はブリッジにも軽くオイルを塗ろうと思います。




S5-148.jpg本体の方はまだこうしてのほほんとぶら下がっております。昨日の出勤前にサンディング後の2コート目を塗るつもりでしたが寝坊して実行できず。なので、帰宅後にコーティングしたのであります。今日も出勤前にもう1コート・・・と思っておりますが、果たして起床できるのか。どうも最近、あまり急がなくなってきました。ウクレレ効果でハワイアン・タイムな生活になってきたのか、それとも齢の所為なのか・・・。

S5-149.jpg2006-05-25 「私的油仕上艶考察」
とりあえずオイルの塗布は完了しました。計5〜6コート塗ってあります。今度は艶の度合いを決めるのですが・・・結論から申し上げますと、この写真、これがワタシの決めた艶です。



S5-150.jpgちなみにバックもこんな具合です。セミグロスというのでしょうかね。要は半艶。あ、蝉とは関係無いですよ。





S5-151.jpgツヤツヤのグロス仕上だとこんな感じなのですが、ちょっとケミカル感が強いかな、と。なんだか、ちゃちく見えちゃうのです。





S5-152.jpgこれを1500〜2000番で落としていくとこんな感じの半艶になります。あまり光沢を感じないということは、表面がザラついてるのでは?




S5-153.jpgいえいえ、そうでもありません。ちゃんと景色が映り込みますよ。






S5-154.jpgバックもこの通りです。






S5-155.jpgここに至るまでコンパウンド、ワックスなど使って試行錯誤して決めた割に、どこかで見た様な艶だな・・・と思ったら、これでした。4号機。「なーんだ、結局同じ仕上がりだったんじゃーん!」と1人ツッコミを入れたりしたのですが、つまりはこれが自分の欲しい艶だったという事ですね。
それにしても恐ろしく厚ぼったいウクレレだったんですね、4号機。

S5-157.jpg参考までに、こちらの写真はフラット(マット)仕上げ。艶消しですね。マーチン・ギターの15シリーズがこの仕上げになっています。




S5-158.jpgそしてこちらはお馴染み、テカテカのラッカー仕上げ。ほとんどのウクレレやギターはこれでしょうかね。
ということで、オイル・フィニッシュは半艶が良いな、と。
「普通、そうでしょ?」とか突っ込まないでくださいね。



S5-159.jpg2006-05-26
今夜はフレットを仕上げました。
フレット業務も段々と要領が掴めてきました。もちろん、内容のレベルはまだまだなんですが。



S5-160.jpg今まで通り、高さを揃えてから角を丸めました。写真の右側が角を丸めたフレット、左側が未処理のフレットです。ハワイ物は未処理、もしくはそれに近い状態のウクレレが多いですね。
運指の際に指が引っ掛からない様に、4弦側よりも1弦側を重点的に丸めるようにしています。しかし、あまり丸め過ぎると「弦落ち」するので注意が必要であります。そして12フレット以降のハイポジション側では両端をきちんと丸めます。これはストロークの際に爪が当たるからなのであります。ここを処理しておかないと、演奏後に爪の先や表面が傷だらけに・・・。

S5-161.jpg調整の終わったフレットの仕上げですが、今回はスチールウールを使用しました。すぐにボロボロに崩れて無くなってしまうのが難点ですが、良い仕事をしてくれます。




S5-163.jpg例によってブリッジを載せて記念撮影です。大分やる事が少なくなってまいりました。しかし、ここからが更に神経を使う作業なのであります。



S5-164.jpg2006-05-27
今日はブリッジの接着まで進みました。明後日くらいには完成できそうです。
今回の作業はナットの製作からであります。まずはエボニーから切り出し。指板材の端の部分です。サドルも同じ材から切ってます。次にペーパーでゴシゴシと厚み出しです。

S5-165.jpg幅と厚みが決まったら、ラフに仕上げです。まだ高さが余分にあります。





S5-166.jpgナットはここでひとまずお終いにしてペグを装着しました。グローバーです。





S5-167.jpgその次はブリッジの位置決め。今回のセットアップはこんな風景です。4号機の時と違うのは弦の仮止めの仕方。ベニヤに溝を切って固定してみました。




S5-168.jpgチューニング・メーターをつないでサドルを削りながらオクターブ調整です。完成後の弦はカマカをセットしますが、今は調整用としてGHSを使用しています。GHSは長さに余裕があるので今回の様な仮止め方法が可能なのであります。カマカ弦は余分が少ないのでこの方式は不向きです。ちなみに両社ともゲージはほとんど同じ。


S5-169.jpgブリッジ位置が決まったので弦止めの溝をギコギコと。各弦のゲージに合わせてナット・ファイルで溝切りすれば、ジャストフィットです。




S5-170.jpgいよいよブリッジ接着。
接着面を処理してクランプをセットして、スタンバイ状態ばい。今回は接着面を照明の熱で温めてみたのですが、イマイチでした。蛍光灯だからダメなのかな。



S5-171.jpgとにかく手早く不安も持ちつつ膠で接着。この状態で1日以上安静に。クランプをはずせるその日まで、ごきげんよう。であります。





S5-172.jpg2006-05-29
とりあえず出来上がりました。
弦を張り替えて、音も出してみました。





で、結論。

直しが必要です。


S5-173.jpgちょっと凹んでます。なーんか、スゴくつまらないところでヘマやってたりして。このままで演奏は可能ではあるけども、演奏し辛い。なので、ブリッジを作り直そうと思います。

で、ムスコの一言。  「まだ直すの?」
お客様って、ホントにキビシいのです。

S5-174.jpg2006-05-30
ブリッジ2本目製作中であります。
今日は材からの切り出しとサドル・スロット彫りをやりました。いつもはドレメルで彫っていましたが、うるさいので深夜は使えません。かといって週末まで待つ様な事もしたくない。そこで、手彫りにチャレンジする事にしました。手彫りといっても、パワーツールを使わないという意味です。材から切り出して外形を整えてからマイター・ボックスで溝を切り込んでいきました。

S5-175.jpg溝幅分の切り込みを終えたらその間を極細のノミで彫っていきます。このノミの刃幅は1.5mmしかありません。かなり前に購入しましたが、やっとまともに使った気がします。




S5-176.jpg溝の側面に荒れた部分があったのでスクレーパーで削り落としておきました。溝の底面は細工ヤスリで均してあります。細かい部分なのでルーペが欲しくなりましたが、今のところ老眼になっていないのでなんとか作業できました。



S5-177.jpgサドル・スロットの加工はドレメル無しでも何とかなる事が経験できました。この先は旧ブリッジを剥がすという作業が控えています。これも初体験になるのですが、何事も初めてというのはとても不安が憑きまといます。今日はここまでにして、次回は弦止め周りの加工を行なう事にします。


S5-178.jpg2006-06-01
ブリッジ2本目、出来上がりました。
弦止め周りも手で彫っていきました。接着面側から深さを決める溝を鋸で入れてそれをガイドに彫っていく、というやり方。仕上げはスコヤにペーパーを貼って、ゴシゴシと。弦止めの溝は前回同様ナット・ファイルで切りました。先に薄刃の鋸でガイドを切ってあります。

S5-179.jpgいやー、なんとかドレメル無しで作る事ができました。さあて、次はいよいよブリッジ剥がし・・・ですな。
どうやって剥がそうかなあ・・・。




S5-180.jpg2006-06-02
ブリッジを剥がしました。 剥がしてから分かりましたが、クランプをかけた部分だけが強く接着されていました。周辺はキチンと接着出来ていたのか怪しい様な、あやふやな状態。ブリッジ裏からも大きな当て木をするべきだったと思いますが、なにせサウンドホールが小さいので、色々入れる事ができません。次の接着時にどうするか。また課題が出来ました。

S5-181.jpg作業の実際です。
ブリッジや指板剥がし用のアイロン(取っ手付きインゴットみたいなの)というのが販売されていますが、私は持っていません。で、代用出来そうな物はないかと周りを見回すと・・・ 
ありました。藤原産業社製ユニバーサル・ホビー・バイス。これをバラして使う事にしました。
写真右上に写っている部分を使ったのですが、

S5-182.jpgこの先端がブリッジにほぼ近い大きさ。取っ手代わりのプライヤーは昔乗っていたバイク(スーパーカブともいう)の車載工具です。





S5-183.jpgではやってみます。
万力アイロンをこんな風にガスコンロで熱します。アルミ・キャストにこんな事して大丈夫なのかという不安もありましたが、今の私にとっては万力が壊れるよりもブリッジを剥がせる方が重要です。



S5-184.jpg温度は管理してませんが、かなり熱くなったところでブリッジに押し付けて、パレットナイフを差し込んでいきました。やはり取っ掛かりに時間がかかりましたが、一度入ればこっちのモノ。ゆっくりナイフを進めて、どうにかこうにか剥がれたのでありました。



S5-185.jpg話は前後しますが、ブリッジ交換に至った経緯を書いておきます。

簡単に言うと、ブリッジの弦止め溝のスペーシングが広過ぎたのです。その為に1弦(A)が予定の位置よりも指板の端に近付いてしまったのです。いくらフレット端末処理に気を使っても、これでは意味無しであります。これは完全にポカミスでした。弦を張ってから気付いたこの事実。頭を抱えて「ノオーーーッ!」という状態でありました。
まあ、例によってこれでまたひとつ経験が増えたワケでありまして。
ポジティブ、ポジティブ。

くそう・・・。

S5-186.jpg2006-06-03
ブリッジ接着第2回目、終了であります。
当て木も作り直しました。写真左の当て木は裏側用。溝はT字ブレースの逃げです。ちょっと広かったか。



S5-187.jpg古い膠を削り取って準備が整ったら接着・・・なのですが、実はここまでは夕べ仕事から帰宅した後の作業でした。
ここからが今日の作業、接着に入るというワケなのでした。




S5-188.jpg今度のクランプは1本増えて3本体制。前回の反省から、より確実な接着とする為です。この狭いサウンドホールに3本のクランプなんて入らないっしょ・・・と決め付けていましたが、やってみたらなんとかなっちゃいました。但し着脱時は知恵の輪状態となります。ボディに傷付けぬ様、神経ピリピリ。
さて、クランプをはずせるのは明日の夜になるでしょうか・・・。

S5-189.jpg2006-06-05
ほええ〜、出来上がりましたあ。
シンプル仕様ということもあって、最短期間で作る事ができました。といっても、3ヶ月ちょっとかかってますけど。



S5-190.jpg作業内容へ参ります。クランプ外しであります。
まずは1本目から。弛める段階からすでに隣のクランプにハンドルが当たって難儀しております。
外れたクランプをそーっと置いて、



S5-191.jpgそのまま2本目へ。
こうしないとクランプ同士が干渉してサウンドホールから抜く事が出来ないのであります。




S5-192.jpg2本目が弛んだところでそのままホールドしつつ、サウンドホールから抜いていきます。





S5-193.jpgそして3本目。全てのクランプにおいて同様ですが、取り回しにちょっとしたコツが。この様にボディのくびれ部分にクランプ先端を誘導する事でギリギリ着脱が可能だったのです。って事は、このクランプではパイナップル・ボディは不可能という事に・・・?



S5-194.jpg3本目は当て木をくっ付けてありますので、更にアクロバチックな軌跡を描きつつ外しました。





S5-195.jpgボディにぶつける事なく無事にクランプを外した後は、弦を張って問題の部分をチェックしてみます。今度は平行ぽくなってますな。本当はもう少し中心へ追い込みたかったのですが、これで限界かな、と。これ以上追い込むと中心に対する各部のバランスが崩れてしまうのです。すでにトップは1.5mmズレてますし。(思えばこれが元凶か。)

S5-196.jpgそして最後は作り直したサドルの調整であります。






S5-197.jpgといった具合に、不本意なリペアの後に完成したのでありました。ここで2号機と並べてみました。同じコアでも、フィニッシュの種類によってこんなに印象が違います。どちらも甲乙付け難いですなあ・・・。
それにしても2号機のネックの太い事。何でこんな事したんだろ?
posted by schuntama at 16:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 作ったウクレレ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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