2006年12月06日

4号機 ソプラノ・ロングネック 製作記録2

製作記録1からの続きです。S4-133a.jpgさて、ここから2006年であります。





S4-134.jpg4号機・ソプラノ、今年の初作業はフィラー塗ったくりであります。バインディングを完全に削り落とす前に、最初の目止めを施しました。塗られた目止めの余分とともに、バインディングも削り落とすという算段ですが、果たしていかに。使用したフィラーは上の写真のモノ、LMI Micro-bead Acrylic Paste Fillerです。水性アクリル砥の粉、といった感じの品です。今回の物はローズウッド色です。

S4-135.jpgとにかく塗りたくっていきます。もちろん、厚塗りには気を付けます。バインディングがメイプルなので色移りの心配もありましたので、念のためにバインディングには全てマスキングを施しました。




S4-136.jpgフィラーは水性なので割と早く乾きますし、マスキングの糊移りもイヤなのでこの時点で剥がしちゃいます。ただし、切削作業までに丸1日は乾燥させておいた方が無難かと思います。




S4-138.jpgフィラーが乾いてバインディングの削りです。まあ、バックの仕上げまでは順調でした。





S4-139.jpgで、サイドの仕上げがですね、順調ではないのですよ。というのはこのメイプル・バインディング、カーリーが斑に混じっているのです。このカーリー(よくトラ目といいますが)を仕上げるのが難しいのですね・・・。カーリーは曲げるの難しいよお、削るの難しいよお・・・って、よく聞く(見る)ワケです。いや、ホントそうですね、これ。バインディングですら大変です。どう大変かと言いますと・・・カーリーは木の柔らかい所と固い所が交互に並んだ様な状態なのですね。(それが縞に見える)つまり固さが均等でない為に削った時に表面が波打ってしまうのです。柔らかい所ばかり削れて固い所が残っている、凸凹状態になってしまうのです。

S4-140.jpgワタシはカーリーではなくフツーのメイプルを注文したんですけどねえ・・・。
でも、ほら。こっちはフツーなのに・・・




S4-141.jpgこっちにはカーリーが。
あちこちにこういう半端なカーリーが入っているのです。





S4-137.jpgしかしこれも経験です。練習です。精進します。「なんじゃそのスクレーパーは。刃が出ておらん!」ひいい、すみません!「なんじゃその削り方。オマエにカーリーなんぞ百年早いわ!」ひょえええ・・・!こんな感じでメイプルさんに怒られながら削っています。ホントにそうなんですよ・・・。


S4-142.jpgパーラー・ギターの製作に精を出していて、今度はウクレレの方を忘れるところでした。
見た目に変化が無いのが悲しい今日の記事でありますが、表面仕上げが8割近く終了という大きな前進なのであります。ほとんどをスクレーパーで仕上げましたが、ネック合わせが終わったら更に800番以上のペーパーで攻めていこうと思います。
ここで「む、塗装前に800番以上?」と思われた方、スルドイですな・・・。今回の塗装はオイル・フィニッシュに初挑戦するのです。オイルは「塗膜」を形成しないので塗りが簡単なのが最大の長所でありますが、逆に塗装前の仕上げはできるだけ平滑でなければならないという事になります。これはこれで神経使いそうであります・・・。

S4-143.jpgさて、続いてダヴ・テールの入り口を切り取りました。入り口だけの処理なのに関係ないところにまで刃物の跡が付いております。うむむー、なかなか上達しません。




S4-144.jpgいやあー、ムズカしいっすー!ええ、ダヴ・テール・ジョイントです。諸先輩方のサイトを拝見していると、皆さんサラッと「さて、できました。」って感じでやっていらっしゃいます。相当経験を積まれたのでしょう。素晴らしすぎます。



S4-145.jpgま、ワタシは初めての体験なのでムズカしくて当たり前田のクラッカーでしょう。
もう、こんな切り方して、




S4-146.jpg合わせ面もこんなになっちゃって、滅茶苦茶です。取り返しのつかない事になるのではないかと冷や汗ダクダクで作業してます。で、合わせてみれば当然の様にキチンと入りません。




S4-147.jpg更にこのままでは合わせ面が広すぎて精度が出し辛いですから、ヒールのラフ削りを先にする事にしました。





S4-148.jpgダヴ・テール作業は、私には相当な修行が必要な様です。とにかく形だけでもこのジョイントが出来る様にならないと、先に進めません。今回の作業だけでもアッという間に時間が過ぎてしまいました。とりあえず夜が明ける前に、この辺でやめておきます。



S4-149.jpgさて風邪も治りかけた事ですし、週末ですし。帰宅して晩飯食べたら当然の様に作業です。
う、げほっ、げほっ、
あ、画面から少し離れて下さいね。最近の風邪はタチが悪いそうですから。
で、ネック・ジョイントなんですが、難儀中ですよ。

S4-150.jpg入ってくれえー! まだまだ。






S4-151.jpg頼むから・・・。 ボロボロですなあ。






S4-152.jpgお、入った!
が、しかし。ただ入っただけではまるでダメ男ですな。隙間ビシバシ、気持ち順反り。これから先は微調整の嵐、変身忍者嵐、ゲームセンター嵐、見参!であります。
なんか、風邪でアタマがいっちゃったみたいです。


S4-153.jpg引き続きダヴ・テールの調整です。何とか、収まりました。かなり強引でありますが。削って合わせて、削って合わせて、シム貼って、削って合わせて、削って合わせて、シム貼って・・・って、どのくらい繰り返し合わせをやったか覚えてないくらい合わせまくりました。で、ようやく上下左右にガタツキの無いところへ落ち着いたワケです。しかし現実は、力を加えるとガタツキます。微妙に動いちゃいます。しかも、仕込み角がよろしくありません。左右のフレは矯正できましたが、どうしても順反りが直せませんでした。そこで必殺ペーパー攻撃を繰り出して気持ち逆反りまで直したのが、この写真です。結果、センター出しもOK、ネック角こんなもんでしょ状態に落ち着きました。

S4-154.jpg隙間はですね・・・。
トップから見たところがこんな、





S4-155.jpgバックから見たところがこんな感じです。今の私にはこれで精一杯、というところであります。隙間はハイド・グルー(リキッドですが)にマホ粉を混ぜて埋め埋めします。
ま、初めてやった割には頑張ったよ、うん。と、自分で自分の肩を叩いたりしたのでした。(あ、肩こり?)


S4-156.jpgヘッド・プレートの接着です。材はボディと同じ、パオロッサを使います。私が買ったこの材に限ってですが(楽器用ではない)導管が太くてスカスカ、しかしやたらと固いのです。




S4-157.jpgさらに厚みが4mm以上もあります。これを2mmにしなければなりません。ヘッド・プレートとして2mmは厚いかもしれませんが、これは私の仕様です。かといって、特に深い意味があるワケでもなく。



S4-158.jpgどう削ろうか色々と工具を試しましたが、その固さ故に2mmまで百年はかかりそうです。なので、意を決して轟音マシーンを使う事にしました。本来ならこういった時の為に使う工具なのですが、あまりのウルサさにほとんど封印状態となっておりました。
ま、背に腹は変えられません。轟け轟音、スイッチ・オン!あれ? うるさい事はウルサいのですが、なんかマイルドになった気がします。今までのは慣らし運転だったのでしょうか。

S4-159.jpgということで百年かかりそうだったのが、ものの数分で2.5mmに。あとはハンド・サンディングで楽勝です。





S4-160.jpg最後はいつもの様に当木をかませてクランプして、接着&就寝であります。





S4-161.jpgヘッドまわりを整形しました。今までヘッド外形を削る時は最初からペーパーに頼ってしまっていたのですが、今回はキチンとノミ、スクレーパーで削ってみました。




S4-162.jpgうん、イマイチですね。写真もピントと色合いが不健康な感じです。ま、最後にペーパーで仕上げます。(あれ?)





S4-163.jpgヘッドの形が見えてくると、楽器として俄然主張を始めます。やはりヘッドの存在感というのは大きいものです。ここにブリッジが加わると、表情が出る様になります。

楽器というのは無駄な部分がほとんどありませんから、ひとつひとつのパーツの存在感が全体の雰囲気を形成しているのだと思います。オーラのある楽器というのは、やはり細部に神が宿っておりますね。私もいつかオーラの出ている楽器が作れる様になりたいものです。今は勢いだけで、オーラどころかオラオラ状態であります。

S4-164.jpg指板の製作であります。






S4-165.jpg元になる材はこれです。インディアン・ローズウッド、マンドリン用指板材です。最初から外形がテーパーになっているのは何故でしょうか。これではフレットの溝切りに不便であります。




S4-166.jpgとりあえず厚み調整から入ります。元は8mm厚、これを5mmまで削ります。とにかくひたすら鉋がけ。屑の量だけは一人前だったりします。手前の金尺は材のストッパー代わりです。薄くても結構効果的。



S4-167.jpgで、厚みが出たら外形を必要分だけ整形していきます。
長さを詰めて、





S4-168.jpg平行出しして、






S4-169.jpgサウンド・ホール側の形状を決めて、






S4-170.jpg糸鋸でシコシコと切って・・・






S4-171.jpgはあ、疲れました。






S4-172.jpg2号機と比較してみました。スケールが同じなので全長もほとんど同じ。でもボディ・シェイプが違います。





S4-173.jpg4号機はアッパー・ブートの幅が狭く、ディープ・ボディになっております。





S4-174.jpg指板が出来ました。(とりあえず)実はここに至るまで紆余曲折でしたが、まるで何事も無かったかの様に書いておきます。
ふはは。
まずはフレット位置をケガキ入れします。スケール計算にはWebで公開されているCGIが便利です。私はあの鶴田さんのサイト、「クレーン」内に置いてある「TSULTRA FRET」を使わせていただいております。お世話になります。

S4-175.jpg ケガキ終わったらすかさずマイター・ボックスに放り込んで、鋸を入れます。





S4-176.jpg次に表面を仕上げるのですが、ここでも今回初チャレンジの仕様にします。マーカー・ドット無し、そしてギター同様に表面のR処理です。ドット無し仕様は作業工程を省くだけなので特に問題ありませんが、見た目のシンプルさを強調する狙いがあります。これはバックパッカー・ウクレレの影響でもありますな。カッコいい不便。

S4-177.jpg作業中の写真です。曲率付の専用サンディング・ブロックを使用してます。





S4-178.jpg削り上がりはこんな感じになりました。丸いとセーハしやすそうであります。





S4-179.jpg表面処理が終わったらフレット打ちに入ります。ブチブチとワイヤを切り揃えたら、ハンマーで打ち込みます。この作業はだいぶスムースに出来る様になってきましたけど、やはり溝の幅と深さ、フレット・タングの厚みとの関係は重要であります。



S4-182.jpg出来上がりの図。






S4-183.jpgヒール・キャップの製作です。ヘッド・プレートの端材から切り出したのですが、こんな小さい部品でも一応木目の良さそうな所を選んだので中途半端な位置から切っております。




S4-184.jpgこの様な小部品でもクランプで固定します。圧力をかける事で接着の効果が高まるワケですね。それにしても、すでにリペアしたかのようなダヴ・テールですな。うーん・・・。




S4-186.jpgある程度の時間そっとしておいたらそこそこ固定されてますので、このタイミングを見計らって指板を接着したのであります。





S4-185.jpgここはリキッド・ハイド・グルーを使いました。いずれはちゃんとしたハイド・グルー(膠)を使ってみたいと考えています。





S4-187.jpgブリッジが出来ました。
でも、まだ完成ではありません。よーく見ると弦を止める場所が設定されておりません。その辺りの加工はもう少し先でやろうと思います。弦の止め方は3号機コンサートと同じにするつもりです。「Low shear stress bridge」でありますな。ブリッジ剥がれが無い、そしてシンプルな外観が採用理由です。しかしブリッジの形状自体はよくあるタイプのものです。3号機ではクラシカル・タイプでしたが今回はシンプル狙いでいきます。ブリッジ表面には艶が出ておりますが、これは800番までサンディングした後にティッシュでゴシゴシと仕上げました。こんなものでもで結構艶が出るんですね。ティッシュにした理由は特にありません。そばにあったので使っただけであります。

S4-188.jpg一応作業の写真を・・・。ルーターでサドル・スロットを彫っているところであります。このルーター・テーブルもガタピシと精度が悪いとか色々文句を言いつつ、結局まだまだ使ってたりするのであります。さすがに慣れました。
そういえば、「この道具は少し捻って使えば歪まないで彫れる」とか、ヘンなところで使い方をマスターしていたりすることってありませんか?元が適正に出来ていないものを妙なテクニックで使いこなす、おバカなヨロコビ。いや、やっぱり間違ってるな、ソレ・・・。

S4-189.jpgネック・グリップの整形に入りました。ノミ、小刀を使ってザクザクとラフに削ります。削り過ぎは修正不可能ですので、状態確認の為にある程度のところでザッと面を均す事にしました。




S4-190.jpgとりあえずノミや小刀、ミニ鉋でここまで削りました。なんだか民芸調の風合いであります。





S4-191.jpg次にファイル・ソーで凸凹を均しておきます。これは破壊力のある道具なので削り過ぎに注意しつつ進めます。





S4-192.jpgスクレーパーでザザッと表面を削れば、ある程度スムースな仕上がりになります。上の写真がその状態であります。ここでボディにジョイントして演奏ポジションを構えたりしながらグリップの太さを確認しつつ、お望みの断面に近付けていくのですな。



S4-193.jpgヒールの真ん中からパキッと折れた形が好きなので、今作でもその形状を追求しております。





S4-194.jpgペーパーでも出来ない事はありませんが、パキッと形を出すにはやはりスクレーパーがよろしい様で。





S4-195.jpgグリップの太さ調整はまだ途中のままです。私は市販品のソプラノのネックの細さがどうにもしっくりこないタイプでして、弾いていて掌や親指の付け根が非常に痛くなってしまいます。なので、自ずと自作のネックは無意識に太くしてしまう傾向があります。しかし、製作中のブツはまだテナーよりも太い状態です。これはこれでよろしくありませんな。櫛ゲージで断面形状を確認しつつ、まだ削っていかねばなりません。

S4-196.jpgさあて、そろそろボディへの接着は近いかな?と思いきや、まだペグ穴を開けていませんでした。





S4-197.jpgペグ穴を開けております。3号機でやった時と同じですが、2段の穴を開けました。ブッシュとシャフト、それぞれの径で開けてペグのグラつきを防ぎます。




S4-198.jpgそして、グリップをスリムに直しました。






S4-199.jpgヒール周辺も仕上げを終了です。サンディングは600番まで済ませてあります。





S4-200.jpgネックを接着する前に、クランプに手を加えておきました。トップと指板の接着部分にCクランプを使うのですが、ブレースの高さをクリアして(干渉させずに)クランプさせる必要があります。端材とコルクを両面テープで貼付けて、CならぬGクランプにしておきます。このコルク・シートは「挟む」作業においてとても出番が多いです。傷・凹み防止の為に3mm厚以上の物を1シート買っておくのがお勧めです。

S4-201.jpgさて、接着直前になったらナフサ(ライター・オイル)で接着面のクリーニングです。
合わせに苦労したダヴ・テールもこれで見納めであります。




S4-202.jpgそして、Gクランプ等を駆使して憧れのダヴ・テール・ジョイントは終了。マホ粉(実は全音キットのサペリ粉)をリキッド・ハイド・グルーに混ぜてジョイントの隙間埋めをしているのが悲しいところであります。



S4-203.jpg打ちっぱなしだったフレットの表面を削って高さを均等にして、エッジも丸めてなおかつポリッシングまで行いました。この様に鉄の角材にペーパーを貼付け、ゴーシ、ゴーシ、とフレット表面を均していきます。ボディに傷を付けない様に、薄手の板で養生しておきました。


S4-204.jpgこれは切削途中の状態です。この時点で、いかに打ち込みがヘタであるかを思い知らされます。写真を見ると斑にフレット表面が削れているのがお分かりいただけるかと思います。




S4-205.jpgで、時折この様にきちんと高さが揃っているかチェックするのです。この作業にも専用工具が存在しますが、まだ購入は見送っています。




S4-206.jpg高さが揃ったら、いよいよ仕上げに移ります。表面が平らに削られたフレットを専用のヤスリで再び丸い断面に直します。最初に削った高さをキープしつつ、角を落とす様に削り直すワケですね。指板にしっかりマスキングしておきますが、考えてみたら最初からやっておくべきでした。


S4-207.jpgところでこのヤスリ、フレット・ファイルといって数種類が売られています。私が買った物はリバーシブルで、150番と300番相当で削ることができます。




S4-208.jpg研磨部分はこの様にダイヤモンド・コーティングされています。






S4-209.jpgちょいと「ビフォーアフター」であります。左から順にファイルで削った状態、一番右がポリッシュした状態です。やっぱり、ピカピカ光ると気分イイものです。




S4-210.jpgで、これを17フレット分、1本1本仕上げた成果です。ハイポジション域でフレットに映るハイライトが歪んでいるのはご愛嬌ということで。ああ、背中がイタイ。 寄る年波には勝てませぬ。




S4-211.jpgついに塗装に突入です。オイル・フィニッシュです。作業前に再び指板をマスキングします。指板面も一緒にオイルを塗る方もいらっしゃる様ですが、基本的にはここは専用オイルにした方が良いみたいです。




S4-212.jpgこのオイル・フィニッシュ、楽器の塗装としては最も簡単な方法とされています。必要なモノはこれだけ。オイルと、きれいな布。塗装方法は、布でオイルを塗布して別の布で拭き取るだけです。数時間おきに5〜6コート、もしくはそれ以上繰り返して好みの仕上げにします。

オイル・フィニッシュの最大の長所は、先にも述べましたが
熟練を必要としない簡単さ、道具が要らない、換気もマスクも要らないこと。
つまり、環境に左右されず誰でもできる塗装ということになります。
その仕上がりは半艶でしっとりとした感じで、家具調とも表現されます。
実際、高級家具にもオイル・フィニッシュは多いですね。ウチにはありませんが。

短所としては表面強度が無いところ。所謂「塗膜」を形成しません。
その為、程度に拘らず傷や凹みは楽器の表面にダイレクトに反映されてしまいます。
その代わり、リペアはとても簡単にできるそうです。

ちなみに、他の塗装方法も含めた解説がLMIのサイトにあります。
興味のある方は是非ご一読してみて下さい。

S4-213.jpgオイル・フィニッシュの途中経過です。今朝、出勤前に4コート目を塗布しておきました。帰宅して様子を確認してみると、結構ツヤツヤ。4コート目でこれだけ艶が出るのはちょっと意外でした。恐らく800〜1000番で表面処理しておいた為と思われます。ネック周りはまだオイルの浸透にムラがあるので、もう少しコートします。コーティングが乾燥したらポリッシュやワックス処理してさらに艶出しすることも可能だそうです。

写真をよく見ていただくと分かるかと思いますが、導管が完全に埋まっていません。フィラーを使ってはいますが、完全に埋めるには2〜3コートは必要かと思われます。あえて導管を埋めずに木の質感を表現される方もいらっしゃいますし、ここは好みの問題でしょう。私も今回はオープン・ポアーでいくことにします。

S4-214.jpg S4-215.jpg S4-216.jpg

S4-217.jpg S4-218.jpg

ところで、以前オイルは換気が要らないと書きましたが臭いが全くないワケではありません。シンナーの様な毒性が無いのでマスクや換気の必要が無いという意味だったのですが、実際には独特の臭いがしますので人によっては我慢できない可能性があるかもしれません。ただ強烈な臭いではありませんし、時間と共に無くなっていきます。ちなみに今、私の3畳間はオイル臭でプンプンです。

S4-219.jpgオイル・フィニッシュがフィニッシュしました。最終的に5コート目までで止めておきました。これがその仕上がり状態です。かなりテカってます。ハッキリいって、私がイメージしていたものと違います。



S4-220.jpgそこで2000番で撫でる様にサンディングしてみました。すると、おお!これです。サテン・フィニッシュ。これが欲しかったのです。

半艶にしたい場合は2コート程で止めておけばそこそこの艶で収まりますが、表面の質感が「薄っぺら」、「固い」という印象がありました。5コートまで塗布すれば「奥行き」が感じられる様になりますが、艶が過剰になって「固い」印象が取れません。導管もやたらと目立ちます。ここで極細目のサンディングを行えばオイル独自の「柔らかさ」を感じられます。これを逆に捉えれば、導管をキチンと埋めて5コート以上塗布すればピカピカのグロス・フィニッシュに仕上がるという事になります。

S4-221.jpgちょいと過去作と並べて艶の比較をしてみました。最初のオイル・フィニッシュとしては、私はこれで概ね満足であります。





S4-222.jpgナットとサドルを作りました。コーリアンを使うつもりでしたが、オイル・フィニッシュのウッディな雰囲気がなかなか良いので音質云々よりも見た目重視でエボニーにしました。(これで良いのか)これは整形途中のナットですが、白い樹脂よりも格段にマッチしています。ま、もしも音がダメなら作り替えれば済む話です。

S4-223.jpgブリッジの位置決めの前にペグを取り付けました。まずブッシュを圧入するのですが、





S4-224.jpgCクランプをこの様にした上で、






S4-225.jpgこうしてグリグリと圧入していきます。ハンマーよりも慎重、確実です。





S4-226.jpgね、入りました。






S4-227.jpg続いてシャフト、ボタンを取り付けます。弦楽器を作っている実感が沸いてきますな。





S4-228.jpgお次はブリッジです。数値的に計算された位置に仮置きして、さらに3弦を仮に張ってオクターブ確認しました。





S4-229.jpg位置を決めたらフットプリントをマスキングして、表面のオイルを削り取ります。あとは接着、リキッドだけどハイド・グルーなので一応2日程そっとしておきますか。




S4-230.jpg今回は3号機までの反省を踏まえてCクランプでガッシリと固定しました。以前、指板接着の際にご紹介したGクランプ仕様にしております。




S4-231.jpgブリッジに弦を通す穴を開けます。今回は先にブリッジを接着していますので本体ごと穴を貫通させます。トップやブリッジに傷を付けたら大変なのでかなりヒヤヒヤものの作業です。斜めに開けているのは弦を差し込んだ時にサウンド・ホール側に出しやすくする為です。


S4-232.jpg何とか出来ました。穴の周囲にテーパー面を軽く付けておきました。





S4-233.jpg次は”ある程度の深さ”にナットの溝を切っておきます。






S4-234.jpgここまで来れば弦を張る事ができます。今回はコオラウをチョイスしました。





S4-235.jpgこのブリッジは弦が外れないのでラクであります。






S4-236.jpgここから具体的にセッティングに入ります。さらにナットの溝を深くして弦高を調整します。後戻りはできません。ちょっとずつ、ちょっとずつ、慎重に。




S4-237.jpgサドルのコンペンセーションです。彫刻刀で、これもちょっとずつ慎重に。弦の太さの違いからくる弦長の微妙な違いをここで調整しておきます。




S4-238.jpgセッティングが出たら、後は体裁を整えます。軽く丸みを付けたり、磨いたり。ここはお好みの世界ですな。私のはこんな仕上げになりました。




S4-239.jpg S4-240.jpg

という事で、じゃあーん! 完成であります。
posted by schuntama at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 作ったウクレレ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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