2006年12月06日

4号機 ソプラノ・ロングネック 製作記録1

製作記録です。S4-16.jpg4号機の製作を開始しました。このウクレレでも色々試してみようと思います。トップには新木場で買ったスプルースを使います。10mm厚の材を手鋸で2枚におろし、サンダーで削りました。なにもわざわざそんなことを・・・という気もしますが、なにしろ数百円と安かったので。何スプルースかは不明ですが、色合いがシトカの様な感じです。木目も割と詰まっていて、ちょっと期待できそうです。バック・サイドには、これも新木場で買ったPau Rosa。巷ではこの木の名前は色々な読み方があります。パオロッサ、パウロッサ、パーロッサ等々。どれが本当なんでしょうか。写真で焦げて見えるのはアイロンの熱で滲んだ油脂です。ココボロほど臭くはありませんでした。

S4-17.jpgネックブロックを作ろうとしています。これも初の試みの積層ネックブロックです。ネック製作時の端材の再利用です。木目と平行に積層 してますし、きっと何の問題もないでしょう。製作される方はよくご存知の様に端材は割と使えることが多いです。私は小さなベニヤの端材でもとっておきます。このまえはパーラー用モールドのスペーサーに使いました。

S4-18.jpgホームセンター・レッド・シダーのライニングを切り出しです。ラフにサイズを揃えた状態ですが後で4本束ねた状態で厚みを揃えていきます。私の場合、断面寸法は幅7mm、高さ15mmを目安にしています。見た目のバランスに加えて接着後のサンディングで多少小さくなるのを考慮した寸法です。シダーにした理由は単純な実験的要素です。基本的にどんな木を使ってもよいそうですが市販されているものを見るとマホガニーが主流ですね。

S4-19.jpgライニングにカーフ(鋸の挽き目)を入れて、カーフド・ライニングになりました。溝が入ることによってフレキシブルになり側板のカーブにピッタリと接着することができます。挽き目の幅は1mm弱です。この幅が狭いと、曲率のきつい場所に追従しづらくなります。私としては1.5mmは欲しいのですが手に持って使う鋸では厚い歯のものは売っていませんので対策として溝の間隔を6mmと狭めにして曲げ易くしてみました。まあ、追従しない時はその場所でポキンと折って、貼り直せばいいんですけどね。

S4-20.jpgライニングの面取りです。この形状が音作りに影其するらしいのですが・・・私は損念ながら、まだまだそれが分かる境地に到達できません。今は見た目で形を決めているのと、側板にトップ、バックがしっかり接着できるようにするだけです。



S4-21.jpgえーと、ネック・ブロックです。はあ?この前積層で作ってたじゃん!と思われた方。別に失敗した訳ではないのですよ。このウクレレでは個人的初挑戦をできるだけやってみたいと思うのでネック・ジョイントもダボ・テールではなくダヴ・テールにしようと考え直した次第です。ただし私には蟻溝を掘れる技量も道具もありません。そこで考えたのが、積? ダヴ・テール・ネック・ブロックです!結局、また積層 なんですね・・・。

S4-22.jpgこの積層 ダヴテール・ブロックの作り方ですが、まずは10mm厚のマホ板を切り出しまして・・・





S4-23.jpgこれを4ピースに切り分けて接着するだけ、というお気楽なモノですが、ゴミになるのは蟻溝のテーパー部分を削り落としたところだけという非常にエコな構造でもあります。




S4-24.jpgネックがはまる部品なので精度と強度は重要ですから、接着中にズレない様にホチキスの針を立てておきます。接着剤にはLMIのオール・ウッド・エポキシを使用しました。エポキシの塗布後はクランプして一昼夜おいてから外形を整えます。



S4-25.jpg蟻溝の中はこんな具合になります。トリマーは騒音の面で使用不可能な住環境だし、かといってこんな形、ノミで彫り込むテクも持っていません。ビバ、積層!




S4-26.jpgなんちゃってダヴテール・ブロックを接着します。クランプを使って強固に固定します。





S4-27.jpg順序が前後しますが、接着前にはサイド材への擦り合わせを行ないます。ネック取り付け部は少しラウンドしてますから、ピッタリと沿うようにブロックの接着面を削っておきます。




S4-28.jpg合わせが済んだら接着面をキレイに拭いておきます。接着面や塗装前の面の洗浄にはライター・オイルを使っています。以前、海外の製作家(名前失念)のサイトを見ていたらこの手法が紹介されていました。「ナフサを使ってクリーニングするとよいですよ」との旨でしたが、このライター・オイルの成分がナフサなのです。洗浄性もグッドですし、仕上げに問題が起きたこともありません。ただしエポキシ同様、換気や火気には注意が必要です。拭いた後の布等も揮発したのを確認してから別途ビニール袋にくるんで空気を抜いて捨てるようにしています。神経質な様ですが、引火、自然発火は大変危存です。趣味を楽しむのに火事になってはシャレにもなりません。

S4-29.jpgキャンプ・ファイアーの仕込み・・・ではありません。
ブレース材のシトカ・スプルースを鉈で割りました。





S4-30.jpg元はこれなのですが、鋸でギコギコやっているとかなり辛いので、思いきって割ってみました。(本来はそうする様です。)





S4-31.jpg元々が太目の薪とほとんど同じなので、普通の薪割りと何ら変わらない作業です。難しいのは、木口のどの辺に鉈を入れるか、です。木目が直線に通っていれば楽だったかもしれませんが私が買った木は木目が結構うねっています。見当を付けてバキッと割ってみると先細りに割れたりします。必要最小限の太さを鉈で切り出すのは至難の技なのでおおまかに割ったら後は鋸で小分けにするつもりです。うーん、バンド・ソーが欲しいですねえ・・・ (当時はまだ購入してませんでした。)


S4-32.jpg今回使用した鉈ですが、なかなかスペシャルな一品です。かれこれ20年近く前に近所のオジさんが作ってくれました。刃の素材は車の板バネ、鞘は雨樋と思しき塩ビ板。実際にキャンプ場での薪割りに活躍中です。



S4-33.jpgこれからライニングを接着するのですが、その前に一連の作業をやっておきます。まずはトップ板の接着面をフラットにレベリングをして・・・




S4-34.jpgこの時にサイド板全周が垂直になる様留意しますが、シビアに仕上げるのは割と難しいのでせめてエンド側だけでも垂直にしておきます。




S4-35.jpg次にスコヤと鉛筆でサイドに目印を付けてバック板接着面のラインをテーピングしたら、テープの手前あたりまでサイドの余分を削ります。




S4-36.jpgと、ここまでは私も何度か経験がありまして、この後が未体験ゾーンです。なんちゃってダヴ・テール・ブロックの開口部の処理です。こんな感じでノミで削っていった訳ですが、狭いうえに奥へ傾いているからちょっとムズカしかったです。蟻溝の最下部をノミでガッツンと突いてしまったりとチョロミスもあります。


S4-37.jpg初めての割になんとかここまで仕上げる事ができたのも、積層構造によるところが大きいです。(横着した割にキタナイ)





S4-39.jpgライニングの接着です。経験から言うと、接着の前にリハーサルをやっておいた方が確実です。ボディ内側にライニングを沿わせて形状を馴染ませるのと、実際に必要な長さを把握するためです。




S4-40.jpg準備ができたら接着です。ライニングにかかるテンションを意識しながらクリップで仮止めしていきます。この際、はみ出たボンドを拭いておいた方が後でラクですね。写真の道具はウェットティッシュと箸です。爪楊枝も使うことがあります。



S4-38.jpg接着途中でクリップを木製に交換してあります。さっきまでの金属クリップはバネが強くてとても良い品なのですが懐が浅いために安定したフィット感が得られませんでした。つまり接着面に隙間ができやすいワケなのです。傷も付けやすいですね。ただしバネは強いので金属クリップで要所をはさんでボンドを馴染ませてから、はみ出たボンドを拭きつつ懐が深く柔らかい木製のクリップに交換する、という段取りです。

S4-41.jpgライニングの接着も終わって、トップ板、バック板の接着面を面出しです。





S4-42.jpgトップ側は平面なのでペーパーの上でゴシゴシと擦れば短時間でこうなりますが・・・





S4-43.jpg今回もバック側は気持ちドーム状にラウンドさせるので若干のテーパーをつけました。私はライニング作業が終わると一区切りついた気分になってしばらく放っておきっぱなしになることがありますが、今回はそうならない様に気を付けたいと思っています。 さて、ここいらで一服・・・ はっ!一区切りつけてる!?


S4-44.jpgブレース材を切り出しました。この前、鉈で割ったやつですね。この写真は鉈で割った後、ラフに切っただけのものです。凸凹がひどくてほとんど削られてしまいそうです。




S4-45.jpg棒状に切り出してから形を整えていきますが、道具の使い方がヘタッピーなので作業中はこんな状態になってます。あれこれ使っては結局ペーパーでゴシゴシとか・・・




S4-46.jpgこれはバックに使うブレースです。ラウンド・バックにするので、曲率をつけています。ちなみに、R1000にしています。こんな調子で損りのブレースやらトーン・バーやらを整形していきますが、これらは接着後にさらに整形します。



S4-47.jpgスプルース・トップをカットしました。電動糸鋸があるのに手鋸を使ったのは、作業が深夜だったので騒音を出さないためです。





S4-48.jpgこの様にテンプレートを置いて切り出す場所を決めますが、板をブックマッチにしてますのでテンプレートの中心線と板の継ぎ目を合わせてから外形線をなぞります。テンプレートの外形をそのままなぞって切り出してしまうとサイドに接着する時に形が合わなくなってしまいます。そこでテンプレートより大きめにカットする線を書くわけですが・・・

S4-49.jpgその時に便利なのがこれです。一目瞭然、ワッシャー木村です。これなら一発でキレイにひとまわり大きな線を書けます。あまり幅が広いと接着後に折れたりするので、5mm幅くらいがいいようです。この技も先輩方の見よう見まねですが、なかなかコンビニです。


S4-50.jpgカットした後、さらにサンディングして厚み調整しました。スプルース・トップは初めてなのでよく分かりませんが、1.8〜2mmにしました。割とトラ目?が出ていて、カッコいいかもしれません。



S4-51.jpgところでこのスプルース、最初は10mm厚の板でした。それを鋸でギコギコと2枚におろしてサンディングしたのですが、それはそれは辛く悲しい作業でした。これが元の板ですが、「品名 スプルス」とスタンプされています。なんだかレーダーに探知されにくそうな名前です。あ、それはステルス。齢を重ねて一人ボケ&ツッコミが多くなってまいりました。

S4-52.jpgトップ板の裏にケガキ線を入れました。私は図面を書くということは特にしないので毎回こうやって部品の位置の確認がてら、その場でその時の気分で詳細を決定しています。もちろん基本的な構想は決めた上でのことですけども。この時点で私が特に気を付けていることはネック・ジョイントの位置とサドルの位置(超大事!)、サウンド・ホールの中心です。まだ音作りのノウハウが無いので、やっていることはこんなところです。

S4-53.jpgそして水平方向のブレース(力木:ちからぎ ともいいます)をレイアウトして、ブリッジ・パッチの大きさ、位置を決めたのがこんな感じのモノです。




S4-54.jpgちなみにフレット計算には弦楽器製作サイトの世界的草分けである鶴田誠さんのサイト「クレーン」内にある「TSULTRA FRET」を使わせていただいています。プリントしておけば、弦長、フレット、サドルの位置が確認しやすいので重宝です。鶴田さん、ありがとうございます!もしもウクレレ製作に興味ありで「クレーン」をまだご覧になっていない方・・・こちらのサイトには全音キット製作の詳細があります。もはやバイブルといっても良いかもしれません。他に19世紀ギターの製作・修理(こちらがメイン)など、驚愕の世界です。是非!

S4-55.jpg今度は、ロゼッタとブリッジ・パッチの製作に入ります。これが出来上がらないと、ブレースが接着できません。まずは材料取りです。これは3mm厚のローズ・ウッドです。新木場で購入しました。板目チックではありますが、まあダイジョウブそうです。私の作るロゼッタのデザインはちょっとヒネクレていますので、あまり参考にならないかもしれませんが、悪しからず。

S4-56.jpg先にロゼッタ材と・・・






S4-57.jpgトップ板のケガキ寸法を合わせておきます。ここを間違えると、取り返しのつかないことになってしまいます。





S4-58.jpg次に、それぞれの中心にルーター・アタッチメントの回転軸を固定するための穴を開けます。





S4-59.jpg材に突き損さっているのが、その回転軸になります。簡単に書くと、この軸を中心にルーターをグルグル回して木材を円形に加工していく訳です。




S4-60.jpgグルグル回して「のりしろ」部分の板厚を加工し、最外形でカットすると、はい!こうなりました。使うのは手に持っている方・・・ではなく、損っている方です。




S4-61.jpg次に内径部分(サウンド・ホール)をカットしていきます。こんな風にグルグル回して掘り進めると・・・





S4-62.jpgはい!出来ました。今度は手に持っている方を使います。あちこちガタガタです。使いこなせていない証拠でしょうか・・・





S4-63.jpg削り出したロゼッタをトップに接着しました。右の写真は仮組みついでに加工前のブリッジを置いて福笑いをやってみたものです。こうして見ると、スプルース・トップのソプラノというのもなかなか可愛げがあります。





S4-64.jpg接着までの作業を順にご紹介しますと・・・
トップにルーターで造るりと溝を入れ、カッターで慎重に切り込んでから・・・




S4-65.jpgポン!と外します。スプルースは脆いのでこの手順でやってみました。





S4-66.jpgラミン材の丸棒にペーパーを巻いて、バリの削り取りです。






S4-67.jpg削り過ぎに気を付けながら合わせ込んでいきます。






S4-68.jpgなんとか収まりました。






S4-69.jpgここで微妙な段差をゴシゴシと削ります。






S4-70.jpg接着面をキレイに拭いた後、こんな感じで接着中です。私のウクレレのロゼッタ兼サウンド・ホール・パッチはおおまかにこの様な手順で製作しておりますが、今回はインレイの無いシンプル仕様なので溝彫り工程をひとつ省略しています。



S4-71.jpgブリッジ・パッチの製作です。ブリッジ・プレートともいいますね。3mm厚のインディアン・ローズ・ウッドの板を1.4〜1.5mmまで削りました。板厚の半分がゴミになってしまうのは残念ですが、こればかりはどうにもできません。



S4-72.jpg私は工具、道具が上手く使えません。って、自慢することでもないですが。

鉋でズリズリやったり・・・



S4-73.jpgファイル・ソーでゴシゴシやったりした挙げ句、結局はペーパーで最後まで削ってたりします。プロの親方に見つかったら蹴飛ばされそうな仕事っぷりです。でも趣味でやってますので、心ゆくまで好きな方法で製作できます。



S4-74.jpg座右の銘は「結果オーライ」・・・

などと、グダグダ言い訳めいた事を言いつつ当て木をして接着しました。



S4-75.jpgトップのブレースの接着に入ります。写真に割り箸がありますが、これを使ってみます。効果は二の次にしても、割り箸をブレース材にする実験です。ラーメンを食べる度に割り箸をながめては色々と考えていました。



S4-76.jpg結構 柾目になっているので、もしかしたら使えるかも?とか、パキンと割るだけでブレース材ができたらスバラしいなあ!とか。ジョークではありませんよ。ホントにやってみます。ただし箸は細いので、ファン・ブレーシングの1本だけ仕様(?)の部材として使ってみます。


S4-77.jpg先に、メインのブレースが干渉する部位を落としておきます。割り箸の方は長さを合わせたらブリッジ・パッチの厚みの「逃げ」を彫っておきます。




S4-78.jpgさて、いただきます・・・
ではなく、仮組みです。このお箸が・・・





S4-79.jpgここにのっかります。






S4-80.jpg拡大するとこの様になっています。






S4-81.jpgちなみにこの割り箸、樹種はアスペン(ポプラ)です。スプルースと比べて黄色く、柔らかいです。あまり楽器には適してなさそうな感じがしなくもなく・・・。

でも、もう接着しちゃいましたよ。


S4-82.jpgバック板を切り出して、割れ止めを接着しました。ウクレレやギターは表、裏板が2枚の板の接ぎ合わせになっているものがよくあります。




S4-83.jpgその2枚接ぎの板が接着部で割れるのを防ぐためのものがこの割れ止めです。センター・グラフトともいいます。





S4-85.jpg強度を確保する部品ですので、木目は本体に対し直交させます。写真のものはトップ板と同じスプルース材から切り出しました。





S4-86.jpg接着前にあらかじめ、中心線、ブレースの位置、ネックとエンドの各ブロック位置を鉛筆で書いておきます。本来なら1本のまま接着して後からブレースの通り道を削りますが、




S4-87.jpg今回のものは使い回し品で長さが若干不足していましたのでブレース位置で分割して・・・





S4-88.jpgズレない様に注意しつつ当て木をして接着しました。この作業は通常はバック側のみですが、トップにはブレースやブリッジ、指板の一部が接着されるので不要なのだと思います。余分な物が多いと振動を妨げることにもなりますしね。木目が左右対称になるように接ぎ合わせ(ブックマッチ)をすることで音質的に安定するという話なのですが、これには賛否両論のようです。実際、コアロハの様にメジャーなブランドでも1枚板モデルがありますね。廉価な物ではコスト対策で1枚板(合板が多い)を採用している様です。マーチンのギターではバックが3枚接ぎのHD-35というモデルもあります。(現在では良材不足もあり、単板の1枚板は贅沢ともいえます。)

S4-89.jpgといった訳で、割れ止めにブレースの通り道を削ります。私は中途半端なノミしか持っていないので、壊さない様に慎重に削りました。




S4-90.jpg次に、ラウンド・バックにするためにブレースに曲率を付けます。写真の様なジグにペーパーを貼付けてゴシゴシすれば早く出来上がります。今回のものはR1000にしました。




S4-91.jpg加工したブレースを乗っけると、こうなります。丸さがお分かりいただけるかと思います。





S4-92.jpg両端をクリップではさむと、こんな感じで追従します。






S4-93.jpgその状態を保持する様に前後のブレースを接着しているのが、この写真です。毎度の様に、このままで丸1日固定しておきます。





S4-94.jpgトップのブレースを削って形を整え、効率良く振動する様にします。とはいえ、素人の私にはまだノウハウがありません。手持ちの楽器や諸先輩方の写真を参考に削っていきます。鉋でシュルシュル、ペーパーでゴシゴシと削れば基本断面の形状が出来上がりです。


S4-95.jpg次に両端をノミで削り込んでいきます。これをやると、音の響き方が変わってきます。板を指で叩いた時に出る音をタップ・トーンというそうですが、削る前はどちらかというと「コン、コン、」(入ってますよ)という感じだった音が、削った後では「カン!カン!」(い、今出ますう!)という音に変わります。


S4-96.jpg一人ノックをしこたま繰り返しつつ、とりあえず出来上がったのがこれです。Tバー・ブレースも、割り箸には見えません。ふふふ。この状態から、もう少し削ってチューニングしようと思います。プロの方はこの削り具合を1台ごとに微妙に調整されるのだと思いますが、私にはまだまだまだまだムリムリです。削りすぎて強度が無くなる前にやめておきます。

S4-98.jpg次はバック側のブレースを削ります。基本的に、トップ側と作業内容は同じですけどもね。これが削る前の状態です。ずいぶんゴツいブレースに見えますが、私はまだ加工がヘタなので削りシロのマージンを取っているだけです。



S4-97.jpg削り上がりです。
え、あまり高さが変わってないですか? うーん・・・。

しかし、これのタップ・トーンも良い感じになったと自己満足しています。パオロッサなのでもともと固いせいもありますが、それこそ「カン!カン!」って鳴ります。ただの板の時とは違う振動も伝わってきます。まだ製作本数や扱った木の種類が少なかったりするのでどこをどう作ればこうなる、というのがなかなか掴めません。(ま、当然ですね)

どんなに情報を仕入れようとも、実際に経験するに勝るものはありません。自分の手で作って初めて、「あ、これがアレなのね」と体験、理解ができます。何であんな楽器が高価なんだろ、って疑問に思っていても実際に作ってみると、「ああ、まさにその通りであります!」と反省することも多々あります。こういったところに面白味を感じる様になると、後戻りできなくなります。

S4-99.jpgトップを輪っぱに接着しました。
この段階になると、やっと形が見えてくる感じです。





S4-100.jpg接着前に、ライニングにブレースが干渉する部分を削ります。トップ、バックともにマーキングしてから削る様にします。バック側も同時に削っておかないと、トップを接着してからでは手が入らなくなってしまいます。



S4-101.jpgさらに、スプール・クランプを用意しておきます。あらかじめ適正な幅に開いておけば、クランプする時にネジをクルクル回すムダな動きが少なくなってラクです。このまま1日以上固定した後、バック側を接着して箱にします。作業的にはこのあたりが一番ルンルンな気分になります。


S4-102.jpgバックを接着して、箱になりました。






S4-103.jpg箱になる前にバックにラベルを貼っておきます。






S4-104.jpgパソコンでパパッとプリントするつもりがデータを紛失してしまったので、作り直しました。





S4-105.jpgラウンド・バックはネック側の面の傾斜が一番きつくなりますので、きちんとクランプさせるためにクサビ型の木材をかましてあります。これは以前ネックを作った時のマホガニーの端材です。ついつい捨ててしまいがちな端材も、この様に使えるシーンが沢山あります。


S4-106.jpg次はさらにチマチマ度の高い作業です。ボディ外周にハミ出ていたトップ、バックの余分を落としました。これを済ませておかないとサイドのサンディングができません。あ、普通は違うのかもしれませんが、私は毎回この手順なのです。ノミや鉋でチマチマっ、チマチマっと削っていくのですが木目の方向に気を付けてチマらなければなりません。ちょっとでも木目に逆らってノミを入れようものならば最悪の場合は板がパキン!と裂けてしまいます。今回はスプルース・トップなので余計に神経を使います。実は1カ所、微妙な所が微妙にササクレてしまいました。

S4-107.jpgでも、とりあえずサイドを100番でラフ・サンディングするところまできました。
これが表側で・・・




S4-108.jpgこれが裏側です。
このギターの様な色合いに、ソプラノ・ボディのサイズ感。めちゃくちゃ可愛いです。




S4-109.jpgネックの製作へとまいります。ホンジュラス・マホガニーの2ndグレード材を使用します。ご覧の通りただの角材ですのでヘッドのアングルを作らなければなりません。ここはスカーフ・ジョイントという継ぎ方にするのですが、過去作は全て指板の裏、2フレットあたりでジョイントしていました。今回は色々と試す事がテーマでもありますのでセオリー?通りヘッド裏の中間に継ぎ目がくる様にしてみました。

S4-110.jpg角度を決めたら鋸で斜めに(14〜15度)カットして2段重ねにして面を揃えます。相変わらず鉋がヘタクソなのでファイル・ソーなんかも使っちゃってます。コツはありますが、これは割と面出しにも使えるので好きな道具です。



S4-111.jpgで、この2ピースを裏返しに組めば・・・






S4112.jpgへの字ネックになります。ギター用の材をそのまま使っているので相当な端材やゴミが出そうですが、パーラーのネックも同様に作るのでその予行演習のつもりです。端材はもちろん、小物パーツにリサイクルします。



S4-113aa.jpgスカーフ・ジョイントでヘッドの接着です。接着部位は当木をして、しっかりクランプです。写真ではちょっと見づらいですが、ヘッドとグリップの板厚が違っております。ヘッドになる部品を鉋がけして、元の半分以下にしてから接着してます。接着するまでの間に、このネックで少しだけ鉋の練習ができました。仕上がりはともかく、削り屑だけは今までよりいい感じになってきました。ペーパーを使わずに鉋だけで面をビシッ!と決めるプロの方の、そんな神業なところにせめて気持ちだけでも近付きたいと思うこの頃なのです。

S4-113.jpgバインディングの溝を彫り始めました。この作業は3回目ですが、初チャレンジとしてパーフリングも入れてみようと思います。バインディングの脇に付いている白や黒の細い線、アレですね。今回はメイプルのバインディングにパーフリングは黒一色です。



S4-114.jpgスケジュールの都合上まだ半分しか出来ませんでしたが、とりあえず現状はこんな感じです。内側にパーフリングの浅い溝、外側にバインディングの深い溝の2段構えです。




S4-115.jpgおしり側のアップです。ルーター・ビットが鈍ってきたのか、スプルースの切削面に「ヒゲ」が生えてしまいました。カッター・ナイフで慎重に取り除きます。この写真で分かる様に、今回は溝をかなり深く彫っていたり、サイドの板厚もウクレレとしては厚めにしてあります。まだトップの作業も終わっていませんが、バックにも溝を彫ってみたいと思います。これも初挑戦になります。

S4-116.jpg今夜はネックのラフ・カット、ヒール・ブロックの接着まで出来ました。
深夜の切断作業・・・。夜中にどこからともなく鋸の音が聞こえてくるのもアヤシいですし、ウチのカミさんに怒られない様にするためにも、作業中の音には細心の注意を払います。


S4-117.jpgはい、端材二つの出来上がりです。あ、これはブレース材に使えますね・・・。などと、こうして端材を眺めながら次作の構想をつらつらと考えたりして、一向に腕が上がらないのに計画だけはプロ並に積もっていくのです。



S4-118.jpgさて、朝刊が来る前に次に行きます。最初に切り離したネック材の余分から、ヒール・ブロックを切り出しました。あ、この端材はネック・ブロックとブレースが取れますね・・・。




S4-119.jpgと、端材活用計画は特にヤマを迎えるワケでもなくひたすら写真の様にガッチリと接着をかませて、私はこれから数時間後の出勤に備えて床に就くのでした。




S4-120.jpgバインディングの溝が彫り終わりました。バックのラウンド面にルーティングするのは初めてだったのですが、この作業が難しいといわれている理由が身をもって分かりました。確かにムズカしいですよ、コレ。ルーターを垂直に保持できないんですもん。手作業のみでこれを仕上げる方もいらっしゃいますが、脱帽です。
なんて、ここでボヤッキーしても仕方ありません。そういうものなのです。いけるところまでルーターでラクしてから、スクレーパーや彫刻刀で垂直(ぽく)仕上げました。その時の写真を撮ってあったのですが・・・。 誤消去してしまいました。

S4-121.jpgなので、作業後の写真のみのアップです。サイドは板厚を意識的にかなり厚くしたので溝も深く彫れて、ガッシリとした見栄えのバインディングができそうです。




S4-122.jpgそして、トップ側もなんとかこの断面でグルッと通すことができました。それにしても、耳栓が欲しくなる作業であります。いや、しないとダメですね、コレは。




S4-123.jpgメイプルのバインディングを曲げました。まだトップ側だけなんですが。この様に細い材なら特に濡らさなくても曲がるのですが、今回の材は軽くカーリーが入っていたりしますので、小心者の私は霧吹きでシュッとお湿りを入れました。結果、かなり簡単に曲がりました。面白いです。


S4-124.jpgさらに、今夜はパーフリングも巻きましたよ。この作業は初めてですが、0.5mm厚の薄くフレキシブルな材なので乱暴に扱わなければ折れることもありません。これもシンプルで楽しい作業です。接着そのものは結構、地道ですけど。



S4-125.jpg慣れている方ならバインディングも一緒に巻いてしまうのでしょうけど、私はまだ慣れてないので、今日はこのままそっとしておきます。




S4-126.jpgバック側のバインディングも曲がったところで、接着を始めました。片側の接着が済んだら反対側の合わせをしてまた接着、その繰り返しなので表裏の左右、計4本を4日かけて接着です。アマチュアですから時間は沢山あります。慌てない、慌てない。あんまり慌てると新右衛門さんに叱られます。


S4-127.jpgしかし、これはどうでしょう。見るからに慌てていそうです。バインディングの接着にクランプを総動員しております。テープはほんのわずか。力技での接着。バインディングの曲げ方の精度が低い証拠であります。



S4-128.jpg精度が低いと、こういったところに隙間ができます。正面側もしかり。したがって、横方向のみならず縦方向にもクランプをしているワケですね。




S4-129.jpgせめておしりの合わせだけはキチンとやりたいなあということで、サイドの継ぎ目とバインディングの継ぎ目を合わせておきました。かなり見づらい写真ですが、見えますか?見えました?え、合わせがキタナイ?
むむう・・・。


S4-130.jpgバインディングの続きをやっております。
先ほど忘年ボーリング大会から帰宅したところですが、やはり何か作業してからでないと寝る気になれません。忘年会はアルコール無しの健全なイベントだったので、作業にも影響ありません。
ということで、「今日の接着」がこの写真です。バインディングの曲率の精度を見直したので、クランプの数が減りました。相変わらずクランプに頼っていることには変わりないのですが、前回では手前に積んであるクランプ類も使っていました。

S4-131.jpgおしり側の合わせも、これなら大丈夫そうです。む、左右で若干の色ズレが・・・?い、いや、これが天然素材ならではの良さでありますよ・・・。




S4-132.jpgバック側バインディングの接着に入りました。今回はクランプの数がグッと減って1本になりました。前回同様、ボディへのフィット具合を精度アップしたおかげです。




S4-133.jpgバック側の溝は明らかな3次元構成になりますので、これに追従する様に曲げることができるのか不安がありました。しかし、やってみれば意外と簡単。もちろん、木の種類によると思いますけど。




S4-113aaa.jpg最後のバインディングが接着完了です。またクランプの数が増えてますけど、これには理由がありますよ。バック側はバインディングの始点、終点を隙間の無い様に合わせておきたいので、こうしてテンションをかけている訳です。ということで、硬化したらノミ、スクレーパーでとにかく黙々と削って面をフラッシュにします。・・・なんだか、今年(2005年)最後の記事にしては「しょぼーん」な内容でありました。

製作記録2へ続く
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